遺言書を残したほうがいいケース5選
- 元博 大塚
- 2023年4月15日
- 読了時間: 3分
この記事では、遺言書を残す必要性が高いケースについて説明します。
1、子どもがおらず配偶者に多くの財産をのこしたい場合
子どもがいない夫婦で一方が亡くなって相続が発生した場合、親が存命であれば親が相続人になり、親がすでに亡くなっているなら兄弟姉妹が相続人になります。
例えば高齢の夫婦で相続が発生する場合、大体親はすでに亡くなっていますので、兄弟姉妹が相続人になることが多いです。しかし兄弟姉妹とは疎遠になっていたりそもそもあまり仲がよくないということはよくあります。
兄弟姉妹が相続人になる場合、配偶者の法定相続分は4分の3ですが、配偶者に全ての財産を残したいと考える人は多いでしょう。このような場合は遺言書を書いておくべきです。
2、複数の子どもがいるが特定の子どもに多くの財産をのこしたい場合
子どもが何人かいて、その中の特定の子どもにだけ財産を多く相続させたいのであれば、遺言書でその意思を示しましょう。
例えば、同居して介護などの世話をしてくれた子どもに多く相続させたい、事業の後継者となる子どもに事業用の財産を残したいといった場合です。法定相続の場合は、どの子どもも同じ割合での相続になってしまいます。遺産分割協議になればトラブルになってしまう可能性も高くなります。
このような場合は遺言書を書いておくべきです。
3、認知された非嫡出子や元配偶者との間に子どもがいる場合
認知された非嫡出子(婚姻関係にない男女の間に生まれた子どものこと)や元配偶者との間に子どもがいる場合も、すべての子どもが相続人となります。すべての子どもが同じ相続割合となるため、トラブルが起こりやすい状況ともいえるでしょう。
そのため、自分の意思を遺言書に残しておくことが大切です。
4、相続人以外の親族や特定の団体に財産をのこしたい場合
法定相続人以外の人や団体に財産をのこしたい場合は、遺言書が必要です。
親しい関係の親族であっても、法定相続人でなければ財産を相続することはできません。例としては、孫(子どもが健在である場合)、子どもの配偶者、いとこは法定相続人になりません。これらの人に財産をのこしたい場合は、財産を遺贈するよう遺言書で指定する必要があります。
また、特定の団体に財産を寄付する場合も遺言書が必要となります。ただしこの場合、当該団体に財産を受け入れてもらえるかどうか確認する必要があります。
5、法定相続人がいない場合
生涯独身で子どもがおらず、親も亡くなって兄弟姉妹もいないなど法定相続人がいない場合は、財産は国に納められることになります。
例えば法定相続人がいない方が、お世話になった人に財産をのこしたい場合は、遺言書でその意思を示しておく必要があります。
遺言書がなくても、その人の世話をしていた人が自ら「特別縁故者」として家庭裁判所に申し出て、家庭裁判所から認められれば財産を受け取ることができます。ただし、特別縁故者と認められるには要件があり、家庭裁判所に必ず認められるとは限りません。遺言書を作成することをおすすめします。
以上、遺言書を残す必要性が高いケースについて説明してきましたが、上記のケースにあてはまらない場合でも基本的に遺言書は残しておいた方がいいです。
また、遺言書は民法によって方式が規定されたれっきとした法律文書です。そのため、具体的な遺言書の書き方や文例については、行政書士や司法書士、弁護士などの法律専門職に相談されることをおすすめします。
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